能力基準による賃金相場は部長相当が55.9万円、課長相当が42.7万円

能力基準による賃金相場 賃金に関する統計には厚生労働省を初めとして様々なものがありますが、その多くは年齢や勤続年数別のモデル賃金や平均賃金を調査したものとなっています。しかし近年の賃金制度は能力や職務内容をベースとしたものが増加しており、年齢や勤続年数との相関関係が低くなっており、統計としての価値も低下しています。こうした状況に着目して能力や仕事別の賃金水準の調査を行っているのが、日本生産性本部の「能力・仕事別賃金実態調査」です。本日はこの最新の結果の中から、能力等級別の賃金水準について取り上げることとしましょう。


 これによれば、能力(資格等級)基準の賃金相場は、部長相当が55.9万円、課長相当が42.7万円、管理職に近い係長・主任相当Ⅰで34.9万円といった結果になっています。グラフはそれを企業規模別でも表示したものですが、初任給においては企業規模による格差は少ないものの、上位の資格等級では規模間格差が大きくなり、大規模企業ほど所定内賃金が高いという傾向を読み取ることができます。


 最近の賃金制度はこうした等級別にその高さを決める範囲給制度がスタンダードになっていますが、そうした水準を設定する際の参考資料として活用できるのではないかと思います。



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参考リンク
日本生産性本部「2009 年度「能力・仕事別賃金実態調査」結果概要発表」
http://activity.jpc-net.jp/detail/esr/activity000980/attached.pdf


(大津章敬)



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