金券付きのホテルプランの増加に対応する出張旅費規程の見直し

金券付きのホテルプランの増加に対応する出張旅費規程の見直し 昨夜、あるテレビ番組で「サービスも「おまけ」競う」という特集が組まれており、その中で現在、スマイルホテルというホテルチェーンが展開するQUOカード(コンビニエンスストア・ファミリーレストラン・ガソリンスタンド・ドラッグストア・書店などで利用できる全国共通のプリペイドカード)付きの宿泊プランが好評であるというニュースが放送されていました。


 この宿泊プランは、宿泊する曜日によって宿泊者に提供されるQUOカードの金額が決められており、日曜・祭日に宿泊した場合には5,000円分のQUOカードがホテルから宿泊者に渡される仕組みになっています。例えば宿泊費が9,800円だとすると、出張でこのプランを利用したビジネスマンは9,800円の領収書を添付し、宿泊費を会社に請求し、一方では5,000円のQUOカードを手に入れることができるということになります。以前よりこのようなプランは存在しましたが、1,000円程度と少額であったため、それほど問題になることはありませんでした。しかし、こうした高額のキャッシュバックサービスが増えてくるとなるとすると、企業としては出張旅費精算の仕組みを見直す必要性も出てくるのではないかと思われます。具体的には「宿泊施設から現金もしくは金券等の提供を受けた場合にはこれを会社に返納しなければならない」といった規定を出張旅費規程に追加することなどが考えられます。


 なお、同ホテルチェーンはこのプランによってホテルの稼働率が大幅に改善したということですので、同様のプランを導入するホテルが増加することが予想されます。こうしたプランを利用したモラルハザードが発生する前に、出張経費はその目的を達するに必要な、合理的かつ必要最小限の金額であるという原則を再確認し、規程の見直しを検討されてはいかがでしょうか。



参考リンク
スマイルホテル
http://www.smile-hotels.com/


(大津章敬)



当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。


当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。