父子家庭の児童扶養手当の申請は11月30日までに

父子家庭の児童扶養手当の申請は11月30日までに 児童扶養手当は、ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、子どもの福祉の増進を図ることを目的として支給される手当ですが、昭和36年に制度が設けられて以来、母子家庭の母親を支給対象としており、父子家庭の父親には支給されてきませんでした。しかし、厚生労働省「平成18年度 全国母子世帯等調査結果報告」によれば年間収入が300万円未満の父子家庭が37.2%に上るなど、父子家庭の貧困も問題になっていることから、児童扶養手当法改正により、平成22年8月1日から父子家庭の父親にも支給されることになりました。


 以下の支給要件に該当する方は、平成22年11月30日までに市区町村へ申請をすれば、以下のとおり、児童扶養手当を受給することができます。
平成22年7月31日現在で支給要件に該当している方
 8月分から支給
平成22年8月1日以降、11月30日までに支給要件に該当した
 要件に該当した日の翌月分から支給


[支給要件]
 以下の(1)~(5)のいずれかに該当する子どもについて、父がその子どもを監護し、かつ生計を同じくしている場合に支給されます。
(1)父母が婚姻を解消した子ども
(2)母が死亡した子ども
(3)母が一定程度の障害の状態にある子ども
(4)母の生死が明らかでない子ども
(5)その他(母が1年以上遺棄している子ども、母が1年以上拘禁されている子ども、母が婚姻によらないで懐胎した子どもなど)
※この他、公的年金を受給できる方には支給されないなどの要件もありますので、個々のご家庭が支給要件に該当するかについては、お住まいの市町村にご相談ください。


[支給額]
 児童扶養手当の支給額は、父親の所得や子どもの数等によって変わります。例えば、給与所得者の一例では、父1人子ども1人の場合、児童扶養手当が全額支給されるのは年収(税引き前の収入)が130万円未満の場合です。年収が130万円以上365万円未満の場合は、児童扶養手当の一部支給を受けることができます。なお、所得制限限度額については扶養親族の数によって異なり、また控除される所得等も個々に異なりますので、詳しくはお住まいの市町村までお問い合わせください。手当額は1人目の子どもについては、全額支給で月額41,720円、一部支給で月額41,710円~9,850円が支給されます。また、2人目の子どもについては月額5,000円、3人目以降の子どもについては月額3,000円が加算されます。


 11月30日までに申請しない場合は申請の翌月分からの支給となりますので、ご注意ください。



参考リンク
厚生労働省「父子家庭のみなさま 児童扶養手当の申請は11月30日までに!」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/osirase/100526-1.html
厚生労働省「全国母子世帯等調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/86-1.html
厚生労働省「平成18年度 全国母子世帯等調査結果報告」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-setai06/index.html


(大津章敬)


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