新入社員教育でも重視されるコミュニケーション能力

 先日、産労総合研究所から「大卒・大学院卒新入社員教育の実態」というプレスリリースが発行されました。これは同社が発行する定期刊行誌「企業と人材」の読者3,295社(任意に抽出)に対し調査を行い、回答のあった230社について集計したものです。この発表の中には、「1人当たりの新入社員教育費用」や「1人当たりの新人社員教育費用」等が掲載されていますので、今日はこれらの内容について取り上げておきましょう。


 入社前の1人当たりの新入社員教育費用は、平均で43,798円となり、新入社員を迎えるにあたり、一定の金額をかけて教育が行われてることがわかります。その教育の内容は、「ビジネス・マナー」が95.4%とトップですが、次に「コミュニケーション(報告・連絡・相談を含む)」が89.0%と続いています。この数字は、87.7%で3番目となっている「経営理念・創業理念」を上回っており、組織内でコミュニケーション問題が如何に大きくなっているかの表れだと考えられます。社団法人日本経済団体連合会が毎年行っている新卒採用(2010年3月卒業者)に関するアンケート調査結果でも採用選考時に重視する要素の第1位が7年連続で「コミュニケーション能力」とされており、コミュニケーションの重要性が多くの企業で認識されていることが分かります。


 その他として、「メンタルヘルス・健康管理」や「セクシュアルハラスメント」に関するテーマも取り上げられており、企業人として社会人としての基礎を学ぶテーマの実施率が高くなっているとまとめられています。



参考リンク
産労総合研究所「大卒・大学院卒新入社員教育の実態」
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1103/
社団法人 日本経済団体連合会「新卒採用(2010年3月卒業者)に関するアンケート調査結果の概要」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/030.html


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。


当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。