[ワンポイント講座]時間単位年休取得の時間帯を制限することは可能か

時間単位年休取得の時間帯を制限することは可能か 平成22年4月に改正労働基準法が施行され、年次有給休暇(以下、「年休」という)の取得において過半数代表者との間で労使協定を締結することにより、時間単位での取得ができるようになりました。今回のワンポイント講座では、時間単位年休の取得に際し、その時間帯を制限できるかというテーマについて取り上げましょう。

 時間単位年休は年に5日を限度として与えることができ、その時間の単位は分単位など時間未満の単位は認められていませんが、1時間や2時間など1日の所定労働時間数を上回らない範囲で設定することができます。そのため、体調が悪く病院に行くためであったり、子どもを保育所に連れて行くために1時間ほど年休を取得するなどの活用場面が考えられます。

 この時間単位年休の運用を考える際、例えば朝一番は業務が集中するため、その時間帯については年休の取得を制限したいという相談を受けることがあります。この点については通達(平成21年5月29日 基発第0529001号)が出されており、「あらかじめ労使協定において時間単位年休を取得することができない時間帯を定めておくこと、所定労働時間の中途に時間単位年休を取得することを制限すること、1日において取得することができる時間単位年休の時間数を制限すること等は認められない」とされています。つまり、午前中は取得できないといった制限を設けることはできません。

 時間単位年休については、管理面の煩雑さなどからあまり導入が進んでいませんが、従業員からの要望が強い事項でもありますので、今後、春闘などでテーマとなる企業も増加するのではないでしょうか。

(福間みゆき)

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