上場クラス主要企業の賃上げ見通しは5,154円(プラス1.66%)

上場クラス主要企業の賃上げ見通しは5,154円 そろそろ春闘の話題が新聞紙上を賑わせる時期になってきましたが、先日、財団法人労務行政研究所は「2012年賃上げの見通し―労使および専門家505人アンケート」の結果を公表しました。これは労働側(東証第1部および2部上場企業の労組委員長等)、経営側(東証第1部および2部上場企業の人事・労務担当部長)、そして労働経済分野の専門家(主要報道機関の論説委員・解説委員、大学教授、労働経済関係の専門家、コンサルタントなど)を対象に実施したアンケートを集計したもの。

 これによれば東証第1部・2 部上場クラスの主要企業を目安とした2012年の賃上げ見通しは全回答者平均で5,154円(プラス1.66%)となりました。なお、今年は日本経済団体連合会が「2012年版経営労働政策委員会報告」の中で、「仕事・役割が変わらない限り、上限で昇給が止まる」という定昇廃止を打ち出していますが、今回のアンケート調査においては、労働側で89.7%、経営側で86.5%とほとんどが定昇を「実施すべき」「実施する予定」と回答しており、ほとんどの企業で定昇は維持されるみこみとなっています。

 これに対し、ベアについては、経営側では「実施しない予定」が72.3%を占め、また労働側についても、「実施すべきではない(実施は難しい)」が56.7%と過半数に上っています。

 以上のように今年の昇給は、円高などによる経済の停滞を背景に、例年よりも若干厳しい予想となっています。


関連blog記事
2011年8月17日「経団連の2011年中小企業賃上げ調査 最終集計結果は4,262円(1.64%)」
https://roumu.com
/archives/51867571.html

2011年6月23日「経団連の2011年大手企業賃上げ調査 最終集計結果は5,842円(1.85%)」
https://roumu.com
/archives/51853650.html

参考リンク
財団法人労務行政研究所「2012年賃上げの見通し―労使および専門家505人アンケート」
http://www.rosei.or.jp/research/pdf/000051778.pdf

(大津章敬)

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