東京都の労働相談件数は6年連続の5万件超 3割を超える正社員以外からの相談

東京都の労働相談件数 東京都では、都内6か所の労働相談情報センターにおいて、中小企業の労使等からの労働相談に応じるとともに、紛争当事者間での自主的解決を援助するあっせんを行っていますが、先日、平成23年度の労働相談・あっせんの状況をとりまとめ、公表しました。

 これによれば、労働相談件数は52,363件で、前年度に比べ167件(0.3%)増加しています。50,000件超は平成18年度以降、6年連続で高止まりの状態にあると言えます。また相談内容の最多項目は、「退職」10,634項目(10.7%)で前年度に続き最多となっています。以下、 「解雇」9,773項目(9.8%)、「職場の嫌がらせ」7,346項目(7.4%「賃金不払」7,182項目(7.2%)の順となっています。

 さて、今回の結果で特に注目しておきたいのが契約形態別の労働相談件数です。合計で52,363件の相談のうち、正社員からの相談は27,825件(53,1%)に止まっています。これに対し、パート・アルバイトが8,311件(15.9%)、契約社員が6,075件(11.6%)、派遣が2,442件(4.7%)となっています。このようにいわゆる非正規従業員と呼ばれる正社員以外の従業員からの相談が全体の3割を超え、正社員に迫りつつあるというのが現代の職場の姿を現しているようです。多くの企業では正社員の労務管理に力を入れる一方、パート・アルバイトなどについては十分な対応をしていないことが実情ではないかと思われますが、それが既に多くの労働トラブルに繋がっているのです。今後はこうした非正規の従業員に対するケアや諸ルールの整備がそのトラブル防止においても重要になってくるでしょう。


関連blog記事
2010年5月28日「平成21年度も過去最高を更新した労基署等への労働相談件数」
https://roumu.com
/archives/51741368.html

参考リンク
東京都産業労働局「平成23年度における労働相談及びあっせんの状況について」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2012/04/20m4q900.htm

(大津章敬

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