平成26年3月31日まで延長となった特定理由離職者の所定給付日数取り扱い

特定理由離職者 平成21年の雇用保険法改正で、雇用保険の基本手当を受給する際の区分は、一般離職者および特定受給資格者(倒産、解雇等により、再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた者)のほかに、特定受給資格者以外の者で期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由により離職した者である「特定理由離職者」という区分が新設されました。そして、この特定理由離職者に該当した場合には、受給資格に係る離職の日が平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間にある場合については、所定給付日数が特定受給資格者と同様になる取り扱いが行われていました。

 これは、雇用保険法で暫定措置として設けられていたものであり、平成24年度以降、どのような取り扱いがされるか注目されていましたが、今春の雇用保険法改正で延長が行われました。これにより、原則として、特定理由離職者にかかる基本手当の所定給付日数については、平成26年3月31日まで特定受給資格者と同様となります。

 リーマンショック以降に冷え込んだ雇用情勢は若干持ち直しつつあるとは言われるものの、有期雇用労働者の雇止めトラブルは多く発生しているようです。このような取り扱いをいま一度、きちんと把握しておきたいものです。

[関連法規]
雇用保険法 第13条 (基本手当の受給資格)
 基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前2年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間)。第17条第1項において「算定対象期間」という。)に、次条の規定による被保険者期間が通算して12箇月以上であつたときに、この款の定めるところにより、支給する。
2 特定理由離職者及び第213条第2項各号のいずれかに該当する者(前項の規定により基本手当の支給を受けることができる資格を有することとなる者を除く。)に対する前項の規定の適用については、同項中「2年間」とあるのは「1年間」と、「2年に」とあるのは「1年に」と、「12箇月」とあるのは「6箇月」とする。
3 前項の特定理由離職者とは、離職した者のうち、第213条第2項各号のいずれかに該当する者以外の者であつて、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかつた場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。

附則 第4条 (基本手当の支給に関する暫定措置)
 第13条第3項に規定する特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る。)であつて、受給資格に係る離職の日が平成21年3月31日から平成26年3月31日までの間であるものに係る基本手当の支給については、当該受給資格者(第22条第2項に規定する受給資格者を除く。)を第23条第2項に規定する特定受給資格者とみなして第20条、第22条及び第23条第1項の規定を適用する。


関連blog記事
2009年4月6日「[改正雇用保険法](2)特定受給資格者に加えて新設された「特定理由離職者」」
https://roumu.com
/archives/51530099.html

参考リンク
ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

(宮武貴美)

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