雇用保険の喪失理由から見る経済情勢の変化

雇用保険の喪失理由から見る経済情勢の変化 先日、厚生労働省より平成23年度の「雇用保険事業年報」(速報)が発表されました。この年報では、雇用保険の適用事業所数や被保険者数などのデータと共に、育児休業給付の初回受給者数が掲載されており、雇用保険でどのような給付がどの程度行われているか分かるものになっています。今回は、この年報の中でも、資格喪失者数について取り上げましょう。

 リーマンショック以降、経済情勢は急激に悪化し、派遣切りや内定取り消しが大きな社会問題として取り沙汰されました。これはこの年報にも表れており、平成20年度および平成21年度は事業主の都合による離職者数が100万人を超え、資格喪失者数における割合も15%を超える数となっています。一方で、先日発表された平成23年度の事業主の都合による離職者数を見ると、平成18年度に近い数まで減少しており、人員の削減もひと段落し、落ち着いた状況になったことが想像されます。

 現在、国会で審議されている高年齢者雇用安定法がどのような形で成立するか不透明な部分はありますが、今後の経済情勢によっては、求職率の上昇等もあるでしょう。


参考リンク
厚生労働省「雇用保険事業月報・年報」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/150-1.html

(宮武貴美)

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