男性労働者の雇用形態 年代と共に増加する非正規割合
連合は先日、「転職に関する調査」を発表しました。この調査は、携帯電話によるインターネットリサーチにより、20歳から59歳までの転職経験のある有職者(パート・アルバイト含む)、または転職活動者を対象に実施したものであり、1,000名の有効サンプルを集計したものです。今日はこの中から2つの注目すべき結果を取り上げましょう。
学校卒業後に経験したことがある雇用形態
非正規労働者が全体の3分の1を超える状況となっていますが、学校卒業後に経験したことがある雇用形態の結果を見ると、以下のように、約6割が非正規労働者の経験があるという結果になっています。
(1)正規のみ:37.0%
(2)正規+非正規:45.4%
(3)非正規のみ:12.6
特に女性においては、約8割が非正規労働者の経験があるという結果になっています。また、男女とも若い世代ほど非正規のみと回答しているの割合が高く、20代の男性では18.4%、女性では37.6%という結果になっています。
男性については50代の64.8%が正規のみと回答していますが、年代が下がるほどにその割合は低下し、20代においては40.8%に止まっています。中高年の正社員の雇用が保護され、その反動が若年層の正規雇用を圧迫している状況が見て取れます。改正高年齢者雇用安定法により、原則希望者全員を65歳まで雇用することが来年4月1日から施行されますが、これによりさらに若年層の雇用が厳しくなり、正規労働者として勤務できない労働者が一層増加することが懸念されます。
これまでの転職で、転職先を探すために利用したことがあるもの
転職する際に利用する媒体は様々なものがあります。この調査ではその媒体についても調査をしており、20%以上の利用があったものを取り上げると以下のような結果となっています(複数回答形式)。
(1)ハローワーク:63.3%
(2)友人・知人からの紹介:37.7%
(3)転職情報誌:35.3%
(4)転職サイト:29.1%
(5)新聞の採用チラシ:28.4%
(6)派遣会社:20.3%
特に(1)のハローワークの利用はどの年代においても1位であり、広く活用されていることがよくわかります。厚生労働省では、10月1日から東京・愛知・大阪の3カ所に「わかものハローワーク」を設置することとしており、公的機関が若者の就職・転職支援に力を入れていくことがこのような調査結果からもわかります。
参考リンク
連合「転職に関する調査」
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20120928.pdf
厚生労働省「フリーターへの就職支援拠点として「わかものハローワーク」を設置します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002k76u.html
(宮武貴美)
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