改正高年齢者法の継続雇用しない労働者の範囲等に関する指針案概要が発表に

改正高年齢者法の指針案概要 2012年9月6日のブログ記事「改正高年齢者雇用安定法が公布」では、来年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法について取り上げました。その中で事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針(以下、「指針」という)の策定等が行われる予定とされていましたが、この指針案概要が先日パブリックコメントに出されました。

 この指針案概要では、「心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当する場合には、継続雇用しないことができる」とし、その方法としては「就業規則に定める解雇事由又は退職事由と同一の事由を、継続雇用しないことができる事由として、解雇や退職の規定とは別に、就業規則に定めること」により継続雇用しない労働者を決定することができるとしています。また、就業規則への定めのみではなく、「当該同一の事由について、継続雇用制度の円滑な実施のため、労使が協定を締結することができる」としており、就業規則の変更による実施のみではなく、労使が合意したものとして、労使協定での導入も勧めています。

 この継続しないことができない事由については、「解雇事由又は退職事由とは異なる運営基準を設けること」は改正高年齢者法の趣旨を没却するおそれがあることに留意するよう求めているため、基本的な考え方は、解雇事由又は退職事由と同一の事由を元に判断することになるでしょう。さらには、「継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意する」としており、これまでの継続雇用にかかる選定基準とは明らかに異なる厳しい判断がされるべきことを明記しています。

 このパブリックコメントは10月31日に意見・情報受付が締め切られることになっており、確定した指針が公示されるのは11月以降になると思われます。


関連blog記事
2012年9月29日「改正高年齢者雇用安定法のリーフレット ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51955291.html

2012年9月6日「改正高年齢者雇用安定法が公布」
https://roumu.com
/archives/51951536.html

2012年8月30日「改正高年齢者雇用安定法成立 2013年4月1日に施行」
https://roumu.com
/archives/51950333.html

参考リンク
電子政府の総合窓口「高年齢者の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案等に対する意見の募集について」http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495120241&Mode=0

(宮武貴美)

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