1人当たりにかける教育研修費用は32,034円に
先日、産労総合研究所は「2012年度 教育研修費用の実態調査」を公開しました。これは産労総合研究所が発行している定期刊行誌「企業と人材」誌読者から任意抽出した3,436社に調査を行ったもので、回答のあった109社を集計したものとのことです。
この調査によると、従業員1人当たりの教育研修費用(2011年度の実績額)は1人当たり32,034円となりました。従業員数1,000人以上の企業では43,063円となり、999人以下の企業で25,842円と比べて約1.7倍と教育研修に力を入れていることが分かります。
また、教育投資の今後1~3年間の見通しについては、約4割が「今後は増加」、5割が「現状維持」となっており、教育に力を入れていく企業が多いことが分かります。その教育の内容としては、従来から高い割合を示している、「新入社員教育」のほかに、「初級管理者教育」、「中級管理者教育」などが続き、職種・目的別研修では、「営業社員・販売員教育」が44.2%と高い割合になっています。学生から社会人へと移行するタイミング、そして顧客に多く接する職種に対しては、企業が注力するポイントになっていることが想定されます。
その他に、研修については外部に委託せず社内で研修を企画・実施する内製化に関して関心が高まっているようであり、「内製化に取り組んでいる」と答えた企業は76.2%。1,000人以上企業では88.6%と、9割近くにも上っていることは、近年の傾向だといえるでしょう。
教育研修費用は、企業の業績が不安定となると、削減されることの多い項目の一つですが、一方で、技能の伝承も含んだ教育の必要性も重視されていると想定します。このような調査結果も参考にし、自社に必要な教育研修にはどのようなものがあるか、検討するきっかけにしたいものです。
参考リンク
産労総合研究所「2012年度 教育研修費用の実態調査」
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1210-2/
(宮武貴美)
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