来年度から発行されることになった仮基礎年金番号
消えた年金記録問題は、その対応に長い期間を要していますが、これに関連し適正に年金記録の管理を行うため、来年より「仮基礎年金番号」が発行されることが決定し、日本年金機構から市町村の国民年金担当者向けに情報提供されました。
年金記録は、適正な管理を目的として、1人の年金記録に対し、1つの基礎年金番号で管理することとしています。しかし、転居、就職や転職の際に基礎年金番号の申し出がなかった場合には、複数の基礎年金番号が発行され、年金記録が分かれて管理されている状態が現在でも発生しているようです。このように年金記録が分かれて管理されることを防ぐために、今回、仮基礎年金番号が発行されることになりました。
仮基礎年金番号が発行されるケースは、資格取得届に基礎年金番号が未記入であり、氏名、生年月日および性別の3項目が一致する基礎年金番号がすでに存在する場合であり、他に基礎年金番号を持っている可能性がある被保険者として、上4桁が「990X」から始まる他と区分する基礎年金番号(仮基礎年金番号)が発行されることになっています。そして、この仮基礎年金番号を利用することで、様々な機会を通じて本来の基礎年金番号に年金記録を統合することを行うことになっています。
仮基礎年金番号は、本来の基礎年金番号と同様に国民年金の適用・保険料の納付等ができますが、既に基礎年金番号を持っている可能性が高いため、そのままの状況では年金給付の裁定請求はできないこととなります。裁定請求の際には、調査の上、本来の基礎年金番号に年金記録を統合してから年金を裁定することとなっています。また、一定の期間を過ぎても仮基礎年金番号のままの被保険者には、本来の基礎年金番号が確認されるまでの間使用する年金手帳を発行することになっています。
企業としては、仮基礎年金番号の発行にならないように確実に従業員から情報を集めて手続きを進めていく必要があります。
参考リンク
日本年金機構「市区町村国民年金担当者向け情報誌「かけはし」バックナンバー第18号(平成25年3月1日)」
http://www.nenkin.go.jp/n/open_imgs/backnumber/00000106933v3eSK1IDe.pdf
(宮武貴美)
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