雇用促進税制 税額控除が20万円から40万円に拡充

lb05343-l 雇用拡大は、現在のわが国における最重要テーマの一つとなっていますが、この対策として従業員を一定以上増やす企業について法人税(または所得税)の税額控除の適用が受けられる雇用促進税制が設けられています。今回、平成25年4月より雇用者の増加1人当たり40万円の税額控除が受けられるように拡充されたことから、以下ではその概要をとり上げましょう。
[概要]
 平成25年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度(以下、「適用年度」という)(※1)において、雇用者増加数5人以上(中小企業は2人以上)、かつ雇用増加割合(※2)10%以上等の要件を満たす場合に、雇用増加数1人当たり40万円の税額控除(※3)が 受けられるという制度になります。
※1 個人事業主の場合は、平成26年1月1日から平成26年12月31日までの各暦年
※2 雇用増加割合=適用年度の雇用者増加数÷前事業年度末日の雇用者総数
※3 当期の法人税額の10%(中小企業は20%)が限度

[手続き]
 この制度の適用を受けるためには、まず雇用促進計画を事業年度開始後2ヶ月以内に、ハローワーク等に届け出る必要があります。つまり、平成25年4月1日より事業年度が始まる企業については、5月末までに届け出をしなければなりません。

[事業主の要件]
 この制度の対象となるためには、以下の5つの要件を満たす必要があります。
青色申告書を提出する事業主であること
適用年度とその前事業年度に、事業主都合による離職者(※4)がいないこと
適用年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の数を5人以上(中小企業の場合は2人以上)、かつ10%以上増加させていること
適用年度における給与等の支給額が、比較給与等支給額(※5)以上で あること
風俗営業等を営む事業主ではないこと
※4 雇用保険一般被保険者および高年齢継続被保険者であった離職者が、雇用保険被保険者資格喪失届の喪失原因において「3 事業主の都合による離職」に該当する場合を指します。
※5 比較給与等支給額 = 前事業年度の給与等の支給額 + 前事業年度の給与等の支給額×雇用増加割合×30%

[従前の制度からの変更点]
 適用要件の判定の基礎となる雇用者増加数を算定する際、適用年度途中に高年齢継続被保険者になった人も雇用者として扱うことに変更されています。なお、この措置は適用年度以前から雇用していた人を、適用年度途中に高年齢継続被保険者として引き続き雇用し、適用年度末まで雇用していた場合に適用になります。反対に、事業主都合による離職者の対象が、雇用保険一般被保険者の他に高年齢継続被保険者も加わることになります。

 ハローワークでは企業に対して新規の雇い入れの支援をしていますが、実際の雇用者についてはハローワーク以外からの採用者も対象となり、また、平成25年4月1日に新規採用した者も含めることができるようになっています。今回、税額控除が拡充されたことから、今後雇い入れを行う企業についてはこの制度が活用できないか検討したいものです。

リーフレットのダウンロードはこちら
2013年4月8日「雇用促進計画の提出手続き~雇用促進税制」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51258051.html
2013年4月5日「雇用促進税制に関するQ&A」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51258048.html


参考リンク
厚生労働省「 雇用促進税制」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei.html

(福間みゆき)

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