健康状態が良くない人の割合は週60時間以上の勤務で急増
総務省統計局は先日、「平成23年社会生活基本調査 健康状態に関する特別集計結果」を発表しました。この社会生活基本調査は、1日の生活時間の配分と過去1年間における主な活動状況などが調査されており、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進、男女共同参画社会の形成、少子高齢化対策等の各種行政施策の基礎資料としてその結果が利用されているものです。今回はその中にある「健康状態と週間就業時間の関係」を取り上げましょう。
健康状態については、「良い」、「まあ良い」、「あまり良くない」および「悪い」の4段階で調査が行われ、「あまり良くない」および「悪い」を「良くない」として整理しています。調査結果のうち、「良くない」と回答した割合がもっとも高かった週就業時間数としては、週60時間以上働いているケースで13.4%でした。全体で「良くない」と回答した人の割合が8.3%であることから考えると、週60時間以上働いている人で健康状態を良くないと感じている人は多いと判断できます。
特に男性の週就業時間数が35時間から59時間の人で「良くない」と回答した割合が7%台であったことを勘案すると、長時間労働は健康状態に影響を与えていることが良く分かります。特に慢性的に週就業時間数が週60時間以上になると、いわゆる過労死認定基準の1ヶ月80時間を超える時間数になります。より労働時間の削減を意識し、良好な健康状態で業務に取りかかることができるように労働者一人ひとりの意識も高めていく必要があります。
参考リンク
総務省統計局「健康状態と週間就業時間の関係」
http://www.stat.go.jp/data/shakai/mtopics/pdf/mt01.pdf
(宮武貴美)
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