労働者派遣 厚労省報告書素案で示された労働者個人単位で3年まで派遣可能とする制度改革の方向性
昨日(2013年8月6日)午後、厚生労働省において第5回今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会が開かれ、労働者派遣制度見直しにかかる報告書の素案が示されました。
リーマンショック時の派遣村に象徴されるように労働者派遣はここ数年、低待遇で不安定な雇用の典型として社会悪のように扱われ、平成24年改正法でも日雇派遣が原則禁止になるなど、前政権時には労働者派遣の規制が大幅に強化されました。しかし、今回の報告書案では、労働者派遣は労働力の需給調整を図る仕組みとして有効に機能しており、特に、臨時的・一時的な労働需要に対する迅速なマッチングシステムとして価値を高く評価する内容となっています。
報告書を見ていくと、常用労働者の代替として有期雇用派遣を活用することを防止する仕組みを必要とした上で、以下の方向性の大転換を提言しています。
26業務か否かに関わらず、共通ルールとして労働者個人単位で同一の派遣先への派遣期間の上限を設定する
有期雇用派遣の受入期間の上限については3年とすることを中心に検討する
上記、取扱いの見直しを行った場合には、平成27年10月から施行される労働契約申込みみなし制度については、労働契約の申込みをしたものとみなされる場合の行為の内容も併せて変更となることから、この要件変更に関する改正は必要としています。
まだ改正法が成立するずっと前の段階ではありますが、政権交代を受け、日本の雇用のあり方が再度大きく動こうとしています。この改正は企業にとっても、労働者にとっても非常に大きな影響がありますので、今後も当ブログで継続的にチェックしていきたいと思います。
参考リンク
厚生労働省「第5回今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会 資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000014405.html
(大津章敬)
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