不要となった年金と雇用保険の調整にかかる届出

届出が不要となった年金と雇用保険の調整にかかる届出 特別支給の老齢厚生年金を受給できる人が、雇用保険からの失業給付または高年齢雇用継続給付を受給できるときは、失業給付等を優先し、特別支給の老齢厚生年金の全部または一部が支給停止されることになっています。その具体的な調整方法は以下のとおりとなっています。
失業等給付(基本手当)との調整
 65歳になるまでの特別支給の老齢厚生年金を受けている人が、ハローワークで求職の申し込みをし、雇用保険の基本手当を受けられるときは、加給年金額も含めて年金が全額支給停止される。
高年齢雇用継続給付との調整
 65歳になるまでの特別支給の老齢厚生年金を受けている人が、厚生年金保険の被保険者であり、雇用保険の高年齢継続給付(高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金)を受けると、在職老齢年金による支給停止に加えて雇用保険との調整により年金の一部が支給停止される。

 これは平成10年4月に始まった調整であり、年金の請求書に雇用保険の被保険者番号を記入すると共に、「老齢厚生・退職共済年金受給権者 支給停止事由該当届」(以下「支給停止事由該当届」という)を提出することにより行われていました。今回、平成25年からこの支給停止事由該当届の取り扱いが原則届出が不要となりました。届出が不要となるケースは以下の1.から3.のいずれかに該当した場合となっています。
1.年金を受け取る権利が発生したとき
2.ハローワークに求職の申込みをしたとき
3.高年齢雇用継続給付を受けることができるとき

 ただし、年金を受け取る権利が発生した日と、求職の申込みをした日または高年齢雇用継続給付を受けられるようになった日が、共に平成25年10月1日よりも前の場合には提出が必要となります。また、年金請求時に、雇用保険被保険者番号がなかった人についても届出が必要になります。退職後の個人の年金にまつわる話ではありますが、定年や継続雇用満了退職間近の従業員からの問い合わせがあるかもしれませんので、内容をしっかり把握しておきましょう。


参考リンク
日本年金機構「雇用保険の給付と年金との調整のための届出が原則不要となります」
http://www.nenkin.go.jp/n/www/info/detail.jsp?id=24298

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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