国税庁から発表された「創業50周年を記念して従業員に支給した商品券の課税取扱い
給与計算等をしていると、どのようなものが給与所得として課税対象に含まれるのか、迷うことも時折あるかと思います。そのひとつに従業員に商品券を渡した場合の取扱いがありますが、先日、国税庁の質疑応答事例として、「創業50周年を記念して従業員に支給した商品券」の事例がホームページ上で掲載されました。それによると、以下の様に一律1万円分の商品券を支給する場合には、課税しない経済的利益には該当せず、給与等として課税の対象になるという回答になっています。
【照会要旨】
当社では、創業50周年を迎えたことから、本年12月に在籍する全従業員に対し、一律1万円分の商品券を支給することとしました。この場合、従業員に支給した商品券については、どのように取り扱われますか。
【回答要旨】
給与等として課税の対象になります。
創業50周年等の区切りを記念して従業員に対し記念品等を支給することは、一般的に行われているものであり、この記念品等については、その支給する記念品が社会通念上記念品としてふさわしいものであり、かつ、そのものの価額(処分見込価額により評価した価額)が1万円以下のものであること、創業記念のように一定期間ごとに到来する記念に際し支給する記念品については、創業後相当な期間(おおむね5年以上の期間)ごとに支給するものであること、のいずれにも該当するものについては、強いて課税しなくて差し支えないとしています(所得税基本通達36-22)。
この取扱いを受けるのは記念品に係る経済的利益に限られるため、記念品に代えて支給する金銭については、給与等として課税の対象になります。
照会のように、会社の創業記念として商品券の支給が行われる場合、その支給を受けた各従業員は当該商品券と引き換えに、商品を自由に選択して入手することが可能となりますので、商品券の支給については金銭による支給と異ならないといえます。
したがって、照会の商品券の支給については、課税しない経済的利益には該当せず、給与等として課税の対象になります。
迷いやすい事例かもしれませんが、商品券を支給した場合には、この質疑応答事例を参考に正確な処理を進めましょう。
参考リンク
国税庁「創業50周年を記念して従業員に支給した商品券」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/03/42.htm
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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