ジクロロプロパンの規制が10月より強化されています
厚生労働省は、胆管がん事案の原因物質の1つとして考えられる「1,2-ジクロロプロパン」を、労働者の健康障害防止に関するリスク評価の結果に基づき、発がんのおそれのある特定化学物質障害予防規則対象物質として、本年10月より規制を強化しています。今後、労働基準監督署による調査・指導の強化が予想されることから本日はこの内容について取り上げたいと思います。
「1,2-ジクロロプロパン」は、主に1990 年代中ごろから2012 年ごろまでに販売されたインク洗浄剤に含まれており、本年10月からは、洗浄・払拭業務で「1,2-ジクロロプロパン」を含有する洗浄剤等を使用する事業者に、化学物質の発散を抑制する設備の設置、作業環境測定の実施、特殊健康診断の実施、作業主任者の選任、作業の記録等を30年保存などが義務付けられています。
[概要]
洗浄剤の「1,2-ジクロロプロパン」含有の有無及び含有量をSDS(安全データシート)で確認もしくは直接メーカーに問合わせ、「1,2-ジクロロプロパン」を含有する場合は、洗浄・払拭業務での使用にあたり、次の健康障害防止措置が事業者に義務付けられます。
■健康障害防止措置
作業場への掲示(洗浄作業場のよく見える場所に有害性などを掲示)
作業の記録(洗浄・払拭業務従事者の作業記録の30 年間保存)
作業主任者の選任(有機溶剤作業主任者技能講習修了者からの選任)
局所排気装置等の設置(気中濃度の削減及び作業者の吸引を防止する換気装置設置)
作業環境測定(6か月に1回の空気中濃度の測定)
特殊健康診断の実施
(洗浄・払拭業務に常時従事した労働者(退職者は除く)への6か月に1回の特殊健康診断の実施、労働基準監督署への健康診断結果報告書の提出及び健康診断結果個
人票の30年間保存。)
洗浄・払拭業務経験3年以上の労働者の離職時の「健康管理手帳」交付申請協力(洗浄・払拭業務経験3年以上の労働者が離職する場合は、離職後も特殊健康診断の受診が必要であることを説明し、離職時に都道府県労働局への「従事歴証明書(事業者記載用)」を作成するなど離職者の「健康管理手帳」交付申請に協力する。)
[施行日]
平成25年10月1日(上記は平成26年9月10日まで経過措置)
リーフレット「1,2-ジクロロプロパンが特定化学物質へ~過去に業務に従事していた労働者も健康管理が必要です」のダウンロードはこちら
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei53/dl/anzeneisei53-07.pdf
(大津章敬)
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/
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