不正請求への対策が強化される海外療養費

不正請求への対策が強化される海外療養費 健康保険には、海外旅行中や海外赴任中に私傷病による病気やケガで、やむを得ず現地の医療機関で診療を受けた場合に、申請により医療費の一部を払い戻しする「海外療養費」の制度が用意されています。この制度を利用する場合には、療養費支給申請書のほかに診療内容明細書等の必要な書類を添付の上、申請を行わなければなりません。一方で、この申請に関して不正請求事案が複数明らかになっており、先日、厚生労働省保険局保険課長は、「海外療養費の不正請求対策等について」という通達を発出しました。

 この通達によると、現状、添付や確認が行われていないパスポートの提示を求めることや、支給申請書等と診療報酬明細書との突合を行い、海外において同一の疾病について療養等を受けていることが多くなっていないかを確認する対策等が打たれるとのことです。

 さらに不正請求が起こった際には、厚生労働省へ報告が行われ、各保険者で情報の共有が行われることになっています。年末年始のお休みで海外旅行をする人も多くいるかと思います。海外療養費の制度を知らない人もいるかと思いますので、制度と手続きが強化される旨をお休みの前に伝えておきましょう。


参考リンク
法令等データベース「海外療養費の不正請求対策等について」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T131212S0020.pdf

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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