製造業の雇用減少、非正規労働者増加など変化する我が国の雇用
先日、総務省は「労働力調査」の平成25年(2013年)平均結果の資料を公開しました。その内容は現在の我が国の産業構造の変化や雇用の現状をよく反映したものになっていますので、本日はそのポイントについて見てみることにしましょう。
完全失業率は4.0%と,前年に比べ0.3ポイント低下。男女別では男性が4.3%、女性は3.7%
完全失業者は265万人と,前年に比べ20万人減少
就業者は6,311万人と,前年に比べ41万人増加。内訳は男性が6万人減少、女性が47万人増加
正規の職員・従業員は3302万人,非正規の職員・従業員は1906万人。非正規割合は36.6%と過去最高
産業別の就業者数は「医療,福祉」が23万人増加、「複合サービス事業」が8万人増加,「卸売業,小売業」が7万人の増加。一方、「製造業」は14万人の減少
就業率は56.9%と,前年に比べ0.4ポイント上昇
非労働力人口は4506万人と,前年に比べ34万人減少
このようにリーマンショック後の雇用危機からは完全に立ち直り、ほぼリーマン前の好況時の水準に戻りつつあります。一方で、我が国の基幹産業である製造業の雇用が減少し、医療・福祉やサービスの雇用が増加するなど産業構造の転換が雇用にも明確に反映してきていますし、非正規比率もこの10年間で非正規比率は約5%上昇しています。この傾向は今後も続くと考えられますので、人事労務管理も必然的に変化が求められることになります。来年4月にかけては多くの労働関係法令の改正も予定されていますが、人事労務管理の巧拙が企業経営に大きな影響を与える時代になっていることは間違いありません。
なお、非正規比率の論点については大津章敬が公式ブログでも「女性の就業が大幅に増加し、非正規労働者割合は過去最高の36.6%に」という記事を書いていますので合わせてご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/36094984.html
関連blog記事
2014年2月3日「女性の就業が大幅に増加し、非正規労働者割合は過去最高の36.6%に」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/36094984.html
参考リンク
総務省「労働力調査(基本集計)平成25年(2013年)平均(速報)結果」
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/index.htm
(大津章敬)
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/
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