「子供ができても職業を続ける方がよい」が44.8%と前回より減少に
安倍政権は女性活躍を大きな方針の一つに掲げていますが、現在開会中の臨時国会の中でも、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」の審議が行われています。今後、中堅以上企業を中心に女性管理職比率の引き上げなどが大きなテーマになっていくことは確実です。さて、こうした社会の動きに関連するものとして、内閣府より「女性の活躍推進に関する世論調査(平成26年8月調査)」が発表されました。この調査は2014年8月28日から9月14日にかけて、全国で20歳以上の男女5,000人を対象に面接形式で行われたもの(有効回収率60.7%)ですが、本日はその中から、女性の出産・育児の就業に関する事項を取り上げたいと思います。
まず女性が職業を持つことに対する意識について、「子供ができても職業を続ける方がよい」という回答は44.8%で、前回の2012年調査の47.5%より2.7%低下するという結果となりました。その一方で、「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」が31.5%と前回よりも0.7%増加。「子供ができるまでは職業を持つ方がよい」が11.7%で、こちらも前回よりも1.7%こちらも増加しています。近年は育児休業を取得し、職場復帰を目指す女性が多くなっている中で、意外な結果となっています。ここからは女性が職業を持つことの考えは変わっていないものの、改めて出産が大きなハードルとなっていることが読み取れます。
次に、女性が出産後も離職せずに同じ職場で働き続けるために、家庭・社会・職場において必要なことは何か複数回答で聞いたところ、「保育所や学童クラブなど、子どもを預けられる環境の整備」を挙げた割合が71.6%ともっとも高く、「女性が働き続けることへの周囲の理解・意識改革」49.6%、「男性の家事参加への理解・意識改革」48.6%、「家事・育児支援サービスの充実」47.1%、「職場における育児・介護との両立支援制度の充実」44.4%と続いています。
国としても保育所の新設など対策を進めていますが、物理的な問題の解消だけでなく、会社としても女性が働き続けることに職場の理解を深めたり、育児休業や育児短時間制度を充実させるなど、具体的な対策が求められています。今後、慢性的な人材不足の時代に突入していくことを考えると、こうした女性活用の対策はCSRではなく、事業存続というレベルで議論を行う必要があるのではないでしょうか。
参考リンク
内閣府「女性の活躍推進に関する世論調査(平成26年8月調査)」
http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-joseikatsuyaku/index.html
(福間みゆき)
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