徐々に高まる新規学卒者の卒業後3年以内の離職率 大卒は32.4%に

離職率 景気回復に伴う人材採用難により、人材の定着は多くの企業において重要な課題となっています。新卒に関しては昔から「七五三」という言葉があり、入社3年で中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職すると言われています。今回、厚生労働省よりこの最新統計である「新規学卒者の離職状況(平成23年3月卒業者の状況)」が発表されました。本日は、この内容についてとり上げましょう。

 新規学卒者の卒業後3年以内の離職率をみてみると、大学は32.4%と前年度(31.0%)より1.4ポイント高く、高校は39.6%と前年度(39.2%)より0.4ポイント高くなっており、いずれも前年より離職率が増えています。これを産業別の離職率をみてみると、上位5つの産業は以下の通りとなっています。
大学
 宿泊業・飲食サービス業 52.3% (+1.3P)
 生活関連サービス業・娯楽業 48.6% (+3.2P)
 教育・学習支援業 48.5% (▲0.4P)
 小売業 39.4% (+1.7P)
 医療・福祉 38.8% (+1.1P)
高校
 宿泊業・飲食サービス業 66.9% (+0.3P)
 教育・学習支援業 65.7% (+5.6P)
 生活関連サービス業・娯楽業 62.6% (+0.5P)
 小売業 53.3% (+3.3P)
 建設業 48.5% (+1.7P)
 ( )内は前年比増減

 このように「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業・娯楽業」「教育・学習支援業」といった広い意味でのサービス業については離職率が高い状況にあり、高校においては60%を超える離職率となっています。サービス業では特に慢性的な人材不足であることから、安定的なサービス継続のためにも、新卒者が定着するよう職場環境を改善したり、教育制度を充実させ育成していくことが求められます。


参考リンク
厚生労働省「新規学卒者の離職状況(平成23年3月卒業者の状況)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000062635.html

(福間みゆき)

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