サービス残業をせざるを得ないことがあると回答した人は4割強に

サービス残業 連合は先週、「労働時間に関する調査」をホームーページで公開しました。この調査は、労働者の労働実態(時間)や労働時間に対する考え方、受け止め方を探ることを目的とし、携帯電話によりインターネットリサーチにより、20歳から59歳までの労働者3,000人の有効サンプルを集計したものです。調査では、1日の平均的な労働時間といった基本的な内容のほか、ホワイトカラー・エグゼンプションが導入されようとしていることに関するものといった、今後の法改正(見込み)についても項目としてあげられています。今回はこの中でも、賃金不払い残業(サービス残業)に関するものを取り上げておきましょう。

 まず、「サービス残業をせざるを得ないことがあるか」については、「ある」が42.6%、「ない」が57.4%となり、4割強がサービス残業をせざるを得ないと回答しています。サービス残業をせざるを得ないことがあると回答した労働者の雇用形態別の内訳は、正規労働者が51.9%、非正規労働者が30.5%となり、正規労働者の数値が高いものの、非正規労働者においてもサービス残業問題が発生していることが明らかになっています。また、正規労働者については、役職別の調査も行われており、サービス残業をせざるを得ないことがあると回答した人の割合は、一般社員48.6%、主任クラス57.8%、係長クラス63.9%と役職が上がるにつれ高くなる結果となっています。

 そのほか、サービス残業の時間についても集計がされており、サービス残業をせざるを得ないことがあると回答した1,277名の1ヶ月の平均的なサービス残業時間については、10時間未満が59.7%、10時間から20時間未満が16.8%、20時間から30時間未満が8.3%等となり、平均時間としては16.7時間となっています。なお、係長クラスのサービス残業時間の1ヶ月の平均は28.0%となり、役職別で最も長い時間となっています。

 サービス残業への問題意識はここ数年で非常に高くなっているにも関わらず、なくなっていない実態がここに浮彫になっています。実際には、サービス残業のみではなく、どのようにすれば残業がなくなるかといった、根本的な問題を労使ともに取り組むことが不可欠となっています。


参考リンク
連合「労働時間に関する調査」
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20150116.pdf

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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