中労委調査の昨年度ベア平均は1,179円 さて今年はどうなるか?

中労委調査の昨年度ベア平均は1,179円 昨年に引き続き、今年の春闘でもベアが大きな話題になっています。来週の18日には集中回答日を迎え、正にいま、労使交渉も大詰めになっているところではないかと思います。中小企業にとっては円安が原材料費の上昇に繋がり、むしろ業績が思わしくないという企業も多く、昨年、ベアを見送ったところが多いことから、今年はどうしようかと頭を抱えている経営者のみなさんも多いのではないかと思います。

 そんなタイミングで中央労働委員会は、「平成26年賃金事情等総合調査(概況)」を公表しました。本日はこの調査の中から、昨年の定期昇給およびベースアップの状況について取り上げたいと思います。なお、この調査の対象は、原則として、資本金5億円以上、労働者1,000人以上の企業の中から選定された380社で、今回の回答率は61.1%となっています。よって基本的には大企業の状況と見て差し支えないでしょう。

 これによれば、平成25年7月から平成26年6月までの1年間における所定内賃金の労働者一人平均改定額は6,688円(平成25年6,003円)、率で2.05%(同1.89%)となりました。また改定額のうち「ベースアップ分」は、回答企業の平均で、額が1,179円(同80円)、率が0.31%(同0.05%)となっています。

 このように昨年の大企業のベアは平均で1,000円強となりますが、今年はこれを上回る水準になると言われています。人材確保が難しくなっている外食産業などでは5,000円のベアを行う例もあるなど、対応はまちまちの状況ですが、平均では2,000円~3,000円程度の水準が予想されています。中小企業においても、2年連続のベアなしを嫌い、1,000円程度のベアを行うところが一定数見られるのではないかと予想しています。


参考リンク
中央労働委員会「平成26年賃金事情等総合調査(概況)」
http://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/14/index2.html

(大津章敬)

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