徐々に見えてきた過労死防止対策大綱案の内容

徐々に見えてきた過労死防止対策大綱案の内容 過重労働による健康障害、そして過労死は現代労務管理における最大の課題となっていますが、この防止に向け、2014年11月に過労死等防止対策推進法が施行されました。これにより労働基準監督署の過重労働キャンペーンなども実施されています。この法律では政府が、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱を作成することになっていますが、先日開催された「第3回過労死等防止対策推進協議会」の中でその案が示されました。そこで本日はそのポイントについて見ていくこととしましょう。

過労死等は、その発生要因や機序等は明らかでない部分が少なくなく 、第一に実態解明のため調査研究を進めていくことが重要。
啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援は、調査研究の成果は、調査研究の成果を踏まえて行うことが効果的であるが、過労死等防止は喫緊の課題であるため、調査研究の成果を待つことなく対策を推進。
将来的に過労死等をゼロとすることを目指し、 2020年までに 週労働時間 60時間以上の雇用者割合を 5%以下、年次有給休暇取得率時間以上の雇用者割合を 5%以下、年次有給休暇取得率70%以上、2017年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする目標を早期に達成する。
各対策をより効果的に進めるたは、長時間労働を削減するとともに、労働者の健康管理に係る措置を徹底することが重要であり、関係法令遵守の遵守を図る必要がある。また、良好な職場環境を形成し、心理的負荷を軽減していくことも重要。
調査研究の成果が得られ次第、それを逐次対策に反映。

 それぞれの具体的な内容については、以下の「過労死等の防止のための対策に関する大綱(案)骨子」をご覧いただければと思いますが、「過重労働の疑いがある企業等に対し、労働基準監督署の体制を整備しつつ監督指導を徹底」などという記載もあり、徐々にその影響が出てくることが予想されます。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/shiryou_4.pdf


参考リンク
厚生労働省「第3回過労死等防止対策推進協議会 配付資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000081213.html

(大津章敬)

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