労働トラブル時の金銭解決 あっせんで解決することが金銭的負担を最小限にできることが判明

労働トラブル時の金銭解決 先日、厚生労働省は「予見可能性の高い紛争解決システムの構築に関する調査結果」を公表しました。この調査は、「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日閣議決定)において、予見可能性の高い紛争解決システムの構築を図るため、労働紛争解決手段として活用されている「あっせん」「労働審判」「和解」事例の分析・整理と諸外国の関係制度・運用に関する調査研究を行う旨が定められていたことを踏まえ、実施されたもの。本日はこの中から、労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析結果について取り上げましょう。

 その結論を簡単にまとめると以下のようになります。
制度利用期間の傾向
 あっせんは2か月以内で、審判は6か月以内で解決されるケースが多く、迅速な解決が図られている。一方で、和解については、6か月以上の期間を要するケースが多い。
金銭解決の金額の傾向
 あっせんは低額で解決する傾向がある一方で、審判及び和解は高額で解決する傾向があるが、いずれも解決金額の分布は広くなっている。
月収表示でとらえた金銭解決の金額の傾向
 と同様に、あっせんは低額で解決する傾向がある一方で、審判及び和解は高額で解決する傾向があるが、いずれも解決金額の分布は広くなっている。

 以前よりよく「労使紛争の際にはできるだけ早い時点で、あっせんで解決するのがよい。労働審判、和解と進むにつれて金額は大きくなる」と言われていましたが、まさにそれが実証されています。あっせんにおける金銭解決の金額でもっとも多いのは「10万円以上20万円未満」ですが、労働審判および和解では、「100万円以上200万円未満」となっています。もちろん、より深刻な案件はあっせんでは解決せず、労働審判などに持ち込まれる傾向が強いということもあろうかと思いますが、それでも大きな金額の差が出ています。

 「あっせんで金銭解決などできない。裁判で白黒はっきり付けよう」という経営者に出会うことがありますが、それはどう考えても得策ではありません。


参考リンク
厚生労働省「「予見可能性の高い紛争解決システムの構築」に関する調査結果の公表について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088763.html

(大津章敬)

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