長時間労働が疑われる事業場の6割で違法な時間外労働
過重労働を中心とした労働時間問題は、現代労務管理における最重要事項となっていますが、厚生労働省は、平成27年4月から6月までに2,362事業場に対して長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署による監督指導を実施し、先日その実施結果を公表しました。
この監督指導は、長時間労働削減推進本部(本部長:厚生労働大臣)の指示の下、今年1月から労基署が実施しているもので、1ヶ月当たり100時間を超える残業が行われたとされる事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があったすべての事業場を対象としています。
今回の監督指導の結果をみてみると、全体の2,362事業場のうち、1,921事業場(81.3%)で労働基準法関係法令違反があり、その主な違反としては以下の内容となっています。
・違法な時間外労働 1,479事業場(62.6%)
・賃金不払残業 252事業場(10.7%)
・過重労働による健康障害防止措置の未実施 406事業場(17.2%)
また業種毎に見てみると、運輸交通業、接客娯楽業において労働基準法関係法令違反の割合が9割を超えているという結果になりました。労働基準監督署はこれらの事業場に対して、是正・改善状況の確認を行い、是正が認められない場合は書類送検も視野に入れて対応するなどし、長時間労働の削減に向けた積極的な対応を行うとしています。企業としては、過重労働対策の観点からも36協定で定めた内容を守り、労働時間の管理をしっかり行っておきたいものです。
参考リンク
厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000098487.html
(福間みゆき)
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