健康保険の被保険者・被扶養者のマイナンバーは今後、一括回収される見込みに
遂に今週月曜日、マイナンバー法が施行されました。通知カードがまだ手元に届いていないこともあり、大きな混乱は見られないように思いますが、一方で詐欺被害は既に発生しており、正確な情報収集と慎重な取扱いが必要であることを実感している人も多いかと思います。
マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の分野に利用されることになっており、社会保障のうち、医療分野について平成29年7月に医療保険者等の情報連携開始が目指されているところです。そのような背景から、厚生労働省は、健康保険組合理事長向けに「個人番号通知後の事務手続について」という通達を9月30日に発出しました。
通達の内容は、大きく分けて2つありますが、そのひとつが「被保険者及び被扶養者の個人番号の収集について」であり、ここでは、平成29年1月1日時点で被保険者と被扶養者である人のマイナンバーを収集するように通知しています。具体的には、以下のようなものとなっています。
被保険者の個人番号の収集について
健康保険法(大正11年法律第70号)第197条第1項に基づき、事業主に、平成29年1月1日時点で被保険者である者の個人番号を報告させること。なお、平成28年1月1日以降、番号利用法第14条に基づき、事業主に対し、被保険者の個人番号の提供を求めることができること。
また、事業主は、番号利用法第2条第13項に規定する個人番号関係事務実施者(以下「個人番号関係事務実施者」という。)として、被保険者の個人番号を収集する際に番号利用法第16条に規定する本人確認措置をとらなければならないこと。
なお、本人確認措置は、正しい番号であることの確認(番号確認)と現に手続を行っている者が番号の正しい持ち主であることの確認(身元確認)からなるが、身元確認については、雇用関係にあること等の事情を勘案し、本人であることが明らかであると健康保険組合が認める場合は、確認書類は不要であること。
被扶養者の個人番号の収集について
健康保険法第197条第2項に基づき、平成29年1月1日時点で被保険者である者に、当該被保険者の被扶養者の個人番号を、事業主を経由して届出をさせること(事業主には、健康保険法第197条第1項により、第二の1の報告と併せて当該被扶養者の個人番号を報告させること。この場合、事業主は個人番号関係事務実施者となること。)。なお、平成28年1月1日以降、番号利用法第14条に基づき、事業主に対し、被保険者の被扶養者の個人番号の提供を求めることができること。
この場合において、被保険者は、個人番号関係事務実施者として、その被扶養者の個人番号を収集することとなるため、被扶養者に係る本人確認措置は、被保険者が行うこととなること。健康保険組合は、別添を参考に事業主を経由して通知を発出するなどして、被保険者に対し、被扶養者の個人番号を届け出る際に、被扶養者の通知カードや個人番号カードを確認するなどの注意喚起を行うこと。
まだ先の話にはなりますが、被扶養者の再確認のときなどに、まとめてマイナンバーの収集を行うような可能性もあります。通達は健康保険組合理事長向け宛ですが、協会けんぽでも同様の取り扱いになると想定されることから、今後の情報に注目していきましょう。
参考リンク
法令等データベース「個人番号通知後の事務手続について(平成27年9月30日保保発0930第8号)」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T151007S0030.pdf
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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