厚労省 賞与を分割支給する社会保険料節減スキーム対策についての通知を発出

zu 近年、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の負担が大きくなっています。そのため、様々な手段を用いて、社会保険料の節減を行うようなスキームが出てきています。そのひとつとして、賞与を毎月の手当として支給することで、保険料を削減するものがありましたが、このスキームについて9月に厚生労働省から取り扱いを問題視される通知が発出されました。

問題視された社会保険料節減スキーム
 今回問題視されたスキームは、既存の賞与を月額の手当に振り返るものであり、例えば、年間50万円の賞与を、6月と12月の月額給与の手当として各245,000円、それ以外の10ヶ月には、月額給与の手当として1,000円を支給する方法です。このようにすることで、9月と3月に手当増額に対する月額変更を、10月と4月に手当減額に対する月額変更を行い、トータルで社会保険料を削減するというものです。

発出された通知の内容
 今回、発出された通知(保保発0918第1号、年管管発0918第5号 平成27年9月18日「「健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて」の一部改正について」)は、過去の通達を変更するものであり、昭和53年6月20日保発第72号・庁保険発第9号「健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて」以下の一文を追加しています。
「「通常の報酬」には、一か月を超える期間にわたる事由によって算定される賃金等が分割して支給されることとなる場合その他これに順ずる場合は含まれないこと。」

 これにより、で取り上げたような賞与を分割するものに関して、毎月支給される給与に含むことはできないことになります。

 この通知は、平成27年10月1日から適用が始まっています。今後、のようなスキームを利用している場合には、年金事務所から指摘を受けることもありますので、適切な形での運用が強く求められるのでしょう。

↓通知は現在、こちらから確認できます
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T150925S0060.pdf


関連blog記事
2015年11月9日「厚生労働省 社会保険逃れの手法に「待った!」」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/45944540.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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