初のブラックバイト実態調査 6割でトラブルを経験

ブラックバイト ブラックバイトという言葉を耳にする機会が増えていますが、先日、厚生労働省はこのブラックバイトに関する初めての実態調査を実施し、その結果を公表しました。この調査は、大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査というもので、今年8月下旬から9月にかけて実施されています。調査結果を見てみると、学生1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件のうち 58.7%で労働条件通知書等を交付されていないと回答しており、また、19.1%が口頭でも具体的な労働条件の説明を受けた記憶がないとしています。

 また、学生1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件のうち48.2%(人ベースでは60.5%)が労働条件等で何らかのトラブルがあったと回答し、その内容を見てみると以下のようになっています。
14.8% 採用時の合意以上の日数、勤務を入れられた
14.6% 一方的に急な勤務変更を命じられた
13.6% 準備や片づけの賃金が支払われなかった
13.4% 採用時に合意した仕事以外の仕事をさせられた
11.8% 一方的にシフトを削られた

 このように6割がトラブルを経験をし、勤務シフトに関するものがもっとも多くなっていますが、賃金の不払いなどの労働基準法違反の内容も見受けられます。またこの調査結果は、アルバイトの業務ごと(例えばスーパーマーケット、ガソリンスタンド、居酒屋)に細かく集計されており、トラブルの内容が異なっています。

 この結果を受けて、厚生労働省は、労働基準関係情報メール窓口に寄せられた相談を含めて、労働基準関係法令違反の申告・相談がなされた事業場に対して、労働基準監督署において優先的に監督指導を実施し、法令違反が認められた場合には、その是正を図るよう指導を実施するとしています。

 アルバイトの採用や労務管理については、支店や店舗単位で実施されていることが多いことから、法令に違反する取扱いやトラブルに発展するような取扱いをしていないか、早めに点検しておきたいところです。


参考リンク
厚生労働省「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000103577.html

(福間みゆき)

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