据え置き・引き下げで議論が進む来年度の健康保険料率
今年も残るところ2週間程度となりました。年が明けると気になることの一つに、来年度の社会保険料率があります。特に負担が大きくなっている健康保険料率については、従業員のみなさんにも大きな影響を与える事項となっています。協会けんぽでは、今秋から平成28年度保険料率に関して論点を整理してきましたが、平成28年度については、据え置きもしくは引き下げの可能性が高くなってきました。
2015年12月9日に開催された第71回全国健康保険協会運営委員会の資料によると、以下の内容が盛り込まれています。
■直近の5年収支見通し(27年9月試算)等も踏まえて、28年度保険料率についてどう考えるか。
※これまでの運営委員会では、
・単年度収支均衡が原則であり、引き下げられるときは引き下げて、引き上げる必要があるときは引き上げるということでもよいのではないかという意見と、
・長いスパンで安定的に運営できる水準にした方がよいのではないか、
という意見があった。
※評議会の意見では、平均保険料率10%を維持すべきという意見と引き下げるべきという意見の両方を含む意見を持った支部がもっとも多かった。
このような意見の背景には、平成26年度の協会けんぽの財政が良くなっていることがあります。そもそも協会けんぽは、各年度末において保険給付費や高齢者拠出金等の支払に必要な額の1ヶ月分を準備金(法定準備金)として積み立てなければならないとされていますが、平成26年度は、法定準備金が1.6ヶ月となっていることがあります。
正式な決定および周知までには、まだ時間がかかりますので、年明けも最新情報を確認していきましょう。
参考リンク
協会けんぽ「第71回全国健康保険協会運営委員会資料」
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat720/h27/dai71kai/271209
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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