有期契約労働者の雇用安定を進めるキャリアアップ助成金 2016年2月10日に拡充へ

キャリアアップ助成金 有期契約労働者の雇用安定は、現代の労働政策の中でももっとも重要なテーマとなっています。2013年4月1日に施行された改正労働契約法に基づく無期転換ルールについても、あと2年強で無期転換権発生の問題が出てきます。人材不足が進む中で、これからは無期契約への転換や正社員登用を検討するケースも増加することが確実です。

 そんなときに活用できるのがキャリアアップ助成金ですが、2016年2月10日に拡充が予定されています。そのポイントは以下のとおりとなっています。
正規雇用等転換コース
 有期契約労働者等を正規雇用等に転換または直接雇用した場合
(1)有期→正規:1人当たり60万円(45万円)
(2)有期→無期:1人当たり30万円(22.5万円)
(3)無期→正規:1人当たり30万円(22.5万円)
※派遣労働者を正規雇用で直接雇用する場合、1人当たり30万円加算
※母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合、若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合、いずれも1人当たり(1)10万円、(2)5万円加算
多様な正社員コース
 有期契約労働者等を多様な正社員に転換または直接雇用等、または正規雇用労働者を短時間正社員に転換または短時間正社員を新たに雇入れした場合
(1)有期→多様な正社員(勤務地・職務限定、短時間正社員)
  1人当たり40万円(30万円)
(2)無期→多様な正社員
  1人当たり10万円(7.5万円)
(3)多様な正社員→正規
  1人当たり20万円(15万円)
(4)正規→短時間正社員、短時間正社員の新規雇入れ
  1人当たり20万円(15万円)
※派遣労働者を多様な正社員で直接雇用する場合、1人当たり15万円加算
※母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合、若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合、いずれも1人当たり(1)~(3)5万円加算、(4)10万円加算
※(1)(2)は、勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合、1事業所当たり10万円(7.5万円)加算
人材育成コース
 有期契約労働者等に、一般職業訓練(Off-JT)、有期実習型訓練(「ジョブ・カード」を活用したOff-JT+OJT)、中長期的キャリア形成訓練(専門的・実践的な教育訓練)(Off-JT)、育児休業中訓練(Off-JT)を行った場合
(1)Off-JT《1人当たり》
賃金助成:1時間当たり800円(500円)
経費助成:一般職業訓練、有期実習型訓練、育児休業中訓練(育児休業中訓練は訓練経費助成のみ)
最大30万円(20万円)
中長期的キャリア形成訓練、有期実習型訓練後に正規雇用等に転換された場合最大50万円(30万円)
※実費を限度
(2)OJT《1人当たり》
実施助成:1時間当たり800円(700円)
処遇改善コース
 すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃金テーブルを改定し、2%以上増額させた場合
(1)すべての賃金テーブル改定
 1人当たり3万円(2万円)
(2)雇用形態別、職種別等の賃金テーブル改定
 1人当たり1.5万円(1万円)
※「職務評価」の手法の活用により実施した場合、1事業所当たり20万円(15万円)加算
健康管理コース
 有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、4人以上実施した場合、1事業所当たり40万円(30万円)
短時間労働者の週所定労働時間延長コース
 有期契約労働者等の週所定労働時間を25時間未満から30時間以上に延長した場合、1人当たり10万円(7.5万円)
 最終的には予算措置がされた上での決定となりますが、様々な活用場面が想定される助成金ですので、注目しましょう。

リーフレット「正社員や多様な正社員への転換等の支援を拡充~キャリアアップ助成金の拡充~【平成28年2月10日(予定)改正分】」のダウンロードはこちら
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51393556.html

(大津章敬)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。