企業の秘密情報漏洩防止のために確認しておきたい経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」

経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」 マイナンバー制度の導入により、企業の個人情報管理に関する意識が高まりましたが、企業においては、個人情報はもちろん営業秘密についても漏洩しないよう防止策を図ることが強く求められています。このような状況を背景に、先日、経済産業省は「秘密情報の保護ハンドブック」を公開しました。

 平成24年に行われた経済産業省の調査によると、秘密情報の漏えいが実際にあった、若しくはおそらくあったと認識する企業の割合が高まっており、大企業の約40%、企業全体の15%弱となっています。こうした状況がある中で、企業の秘密情報の管理は、未だ十分とは言えない状況があることから、経済産業省では、昨年1月に秘密情報が不正競争防止法により営業秘密として法的保護を受けるために必要となる要件の考え方を改訂した「営業秘密管理指針」に示しています。そして今回、営業秘密として法的保護を受けられる水準を越え、秘密情報の漏えいを未然に防止するための様々な対策を「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて」を策定しました。

 その中で、まず顧客情報や技術ノウハウなど身近な情報が営業秘密になることが指摘されており、従業員や退職者、取引先が漏えいの主体となるリスクを挙げた上で対策法が紹介されています。
【本文】
第1章 目的及び全体構成
第2章 保有する情報の把握・評価、秘密情報の決定
第3章 秘密情報の分類、情報漏えい対策の選択及びそのルール化
第4章 秘密情報の管理に係る社内体制のあり方
第5章 他社の秘密情報に係る紛争への備え
第6章 漏えい事案への対応
【参考資料】
参考資料1 情報漏えい対策一覧
参考資料2 各種契約書等の参考例
参考資料3 各種窓口一覧
参考資料4 秘密情報管理に関する各種ガイドライン等について
参考資料5 競業避止義務契約の有効性について
参考資料6 営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟手続における被害企業の対応のあり方について

 参考資料の方には、各種チェックリストや従業員などとの秘密保持契約書、就業規則も具体的に例示されています。今後、企業において対策を検討される際には是非参考にしてください。
「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて」のダウンロードはこちら
http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/trade-secret.html#toriaezu


参考リンク
経済産業省「「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて~」を策定しました!」
http://www.meti.go.jp/press/2015/02/20160208003/20160208003.html

(福間みゆき)

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