労働トラブルの発生件数が高止まりする中、「職場の嫌がらせ」は過去最多を更新

職場のいじめ・嫌がらせ 近年、労働トラブルは減少傾向にあるとよく言われますが、現実にはどうなのでしょうか?本日は東京都産業労働局がまとめた「平成27年度における労働相談及びあっせんの状況について」のポイントを見てみることにしましょう。

 この調査は、都内6か所の労働相談情報センターにおける平成27年度の労働相談・あっせんの状況についてとりまとめたものですが、そのポイントは以下のとおりとなっています。
労働相談件数は、51,960件(前年度比▲2.2%)
 平成18年度以降、10年連続で5万件を超え、高止まりの状況となっている。
相談内容は、6年連続で「退職」が最多
 以下、「職場の嫌がらせ」、「労働契約」が上位3項目。
「職場の嫌がらせ」の相談は引き続き増加している。
 2年連続で2位となり過去最高
非正規労働者からの相談が増加
 正規労働者からの相談が、前年度に比べて0.5%減少した一方、非正規労働者からの相談は1.3%増加している。

 近年は「職場の嫌がらせ」の増加傾向が見られていますが、昨年度は全体の相談件数が51,960件(前年度比▲2.2%)という状況にもかかわらず、「職場の嫌がらせ」は9,282件で、前年度比+2.0%となっています。具体的には以下のような事例が紹介されていますが、改めてハラスメント対策の実施が求められます。2017年1月にはマタハラ対策が義務化されますので、このタイミングでの対応を検討されてはいかがでしょうか?
事例(上司からの嫌がらせ)
 相談者は、医療機関で医療事務に従事していた正規職員。相談者は、日頃から院長より些細なことで物を投げつけられたり、机を叩くなどの態度を取られていた。相談者は、母子家庭でもあり、勤務を続けてきたが、「お前なんて辞めちまえ」と怒鳴られたため、出勤が困難となって、来所に至った。


参考リンク
東京都産業労働局「平成27年度における労働相談及びあっせんの状況について」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/04/20q4s900.htm

(大津章敬)

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