公表されたニッポン一億総活躍プラン(案) 注目の働き方改革の内容

公表されたニッポン一億総活躍プラン(案) 昨日(2016年5月18日)に開催された第8回 一億総活躍国民会議で、注目のニッポン一億総活躍プランの案が公表されました。

 人事労務の実務家としては今後の「働き方改革」がどのような方向になっているのかが気になるところではないかと思いますが、この点に関しては「最大のチャレンジは働き方改革である。多様な働き方が可能となるよう、
社会の発想や制度を大きく転換しなければならない」とその意気込みが述べられており、内容としては以下の3点が盛り込まれています。
同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善
長時間労働の是正
高齢者の就労促進

 この中でも注目は先日の東京地裁の判決で業界が騒然としている同一労働同一賃金の方向性ではないかと思いますが、この点については以下の記載がなされています。


 同一労働同一賃金の実現に向けて、我が国の雇用慣行には十分に留意しつつ、躊躇なく法改正の準備を進める。労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の的確な運用を図るため、どのような待遇差が合理的であるかまたは不合理であるかを事例等で示すガイドラインを策定する。

 できない理由はいくらでも挙げることができる。大切なことは、どうやったら実現できるかであり、ここに意識を集中する。非正規という言葉を無くす決意で臨む。

 プロセスとしては、ガイドラインの策定等を通じ、不合理な待遇差として是正すべきものを明らかにする。その是正が円滑に行われるよう、欧州の制度も参考にしつつ、不合理な待遇差に関する司法判断の根拠規定の整備、非正規雇用労働者と正規労働者との待遇差に関する事業者の説明義務の整備などを含め、労働契約法、パートタイム労働法及び労働者派遣法の一括改正等を検討し、関連法案を国会に提出する。

 これらにより、正規労働者と非正規雇用労働者の賃金差について、欧州諸国に遜色のない水準を目指す。


 選挙対策という面も見え隠れするこの議論ではありますが、展開によってはわが国の人事労務慣行を大きく変える可能性も秘めています。引き続き、この問題には注目しておく必要があるでしょう。


参考リンク
首相官邸「第8回 一億総活躍国民会議 議事次第」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/dai8/gijisidai.html

(大津章敬)

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