増加する雇用均等室によるパートタイム労働法に関する是正指導

雇用均等室 今年度より労働局の雇用均等室は、雇用環境・均等部(室)として組織の見直しが行われました。雇用環境・均等部(室)は、現在の労働行政における重要テーマの多くの取り扱う重要な部署となっていくことが予想されますが、先日、平成27年度の都道府県労働局雇用均等室での法施行状況が発表されました。

 その内容を見てみると、雇用均等室が行った是正指導(男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法に関するもの)は69,027件で、その内訳は以下のようになっています。
 パートタイム労働法 29,024件(42.0%)
 育児・介護休業法  27,039件(39.2%)
 男女雇用機会均等法 12,964件(15.8%)

 平成26年度は育児・介護休業法が4割強を占め、最多となっていましたが、平成27年度はパートタイム労働法の割合が高くなり、逆転しています。

 更に、パートタイム労働法の是正指導の内訳をみてみると、多い順に以下のようになっています。
・第6条関係(労働条件の文書交付等) 6,343件(21.9%)
・第13条関係(通常の労働者への転換)  4,401件(15.2%)
・第14条第1項関係(措置の内容の説明)3,982件(13.7%)

 やはり労働契約書などの書面による労働条件の明示ができていないようです。これは雇用契約の基本中の基本であり、無用なトラブルを防止するためには必須事項となっていますので、改めて徹底が求められます。また、第14条第1項関係(措置の内容の説明)は、パートタイム労働者を雇い入れたときの説明義務のことで、例えば以下の内容を説明することになっています。
・賃金制度はどのようになっているのか
・どのような教育訓練があるのか
・どの福利厚生施設が利用できるか
・どのような正社員転換推進措置があるのか など

 この説明義務は、昨年4月に改正パートタイム労働法が施行され、新設された内容であることから、企業としては、内容を確認し、確実に実施しておきたいものです。


参考リンク
厚生労働省「都道府県労働局雇用均等室における法施行状況について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/sekou_report/

(福間みゆき)

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