企業の人手不足は若干改善も依然、深刻な状態

従業員の過不足感 多くの企業で人手不足が問題となっています。その最新の状況を帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」から見てみることにしましょう。この調査は2016年7月15日~31日の間に、全国23,639社を対象に実施され、有効回答企業数は10,285社(回答率43.5%)となっています。
正社員
 企業の37.9%で正社員が不足していると回答していますが、この水準は2016年1月から1.6ポイント減少しており、人手不足感はやや緩和しています。業種別では「放送」が76.9%で正社員が不足していると回答しトップとなっていますが、「家電・情報機器小売」や「情報サービス」が6割以上となったほか、「飲食料品小売」「自動車・同部品小売」などが続いた。他方、「家具類小売」は16.7%にとどまるなど、業種間での人手確保における濃淡が顕著に表れています。
非正社員
 一方、非正社員では企業の24.9%が不足していると感じており、業種別では「飲食店」「飲食料品小売」「娯楽サービス」などで高くなっています。特に、「飲食店」「飲食料品小売」「旅館・ホテル」「メンテナンス・警備・検査」は非正社員、正社員ともに5割を超えており、雇用形態の違いにかかわらず人手が足りていない様子がうかがます。

 このように人手不足感は若干落ち着いて入るものの、まだまだ高い水準であることは変わりありません。秋に向けては社会保険の適用範囲拡大の影響も出てくることが予想されます。人手不足と人件費の高騰は企業業績に確実にダメージを与えることとなりますので、まずは安定的な人材確保ができるような環境整備を進めていきましょう。


参考リンク
帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p160806.html

(大津章敬)

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