男女で異なる転職理由の第1位の内容
人材不足が深刻化する中、人材採用の強化と共に重要となっているのが、既存社員の定着促進です。そこで今回は厚生労働省の「平成27年転職者実態調査の概況」の中から、離職者の転職理由について見てみましょう。なお、この調査では、平成26年10月1日から平成27年9月30日の1年間に新たに雇用された雇用期間の定めのない、または1年以上の雇用期間を定めて雇用する一般労働者を「転職者」とし、事業所(10,514事業所/17,023事業所)と個人(6,090人/11,191人)の回答を集計しています。
男性の転職理由の1位は「会社の将来に不安を感じたから」
男性の自己都合による離職理由(3つまでの複数回答)を見ると、男性では「会社の将来に不安を感じたから」がもっとも高く30.9%となっています。次いで「満足のいく仕事内容でなかったから」が28.3%、「賃金が低かったから」が27.7%となっています。
女性の転職理由の1位は「労働条件がよくなかったから」
一方、女性についてみてみると、労働条件(賃金以外)がよくなかったからが27.2%でもっとも多く、次いで「満足のいく仕事内容でなかったから」が24.6%、「賃金が低かったから」が21.8%となっています。
このように見てみると、「会社の将来に不安を感じたから」についての反応は男女で大きな差(男性30.9%、女性15.6%)があることがわかります。これに対し、「満足のいく仕事内容でなかったから」「賃金が低かったから」「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」という理由については共通しています。社員の定着を促進するためにはこうした一般的な不満理由を減少させると共に、各個人の動機にあった対応を柔軟に行っていくことが求められます。
参考リンク
厚生労働省「平成27年転職者実態調査の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-h27.html
(中島敏雄)
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