9割の労働組合が労使関係について「安定的」と認識

a0008_001832 厚生労働省は平成27年「労使間の交渉等に関する実態調査」の結果を公表しました。この調査の目的は労働組合と使用者間で行われる団体交渉、労働争議および労働協約の締結等の実態を明らかにすることで、民営事業所における労働組合員30人以上の労働組合に対して平成27年6月30日現在の状況等について7月に調査を行い、一定の方法により抽出した5,189労働組合のうち3,215労働組合から有効回答を得たものです。今回はこのうち労使間の交渉状況【本部組合及び単位組織組合】について確認しておきましょう。

 過去3年間に「何らかの労使間の交渉があった」事項をみると、多い順に「賃金額」70.1%、「賃金制度」55.6%、「職場環境に関する事項」52.1%となっています。また「何らかの労使間の交渉があった」事項のうち「使用者側と話し合いがもたれた」事項上位3項目は「所定外・休日労働」98.1%、「賃金制度」97.4%、「所定内労働時間」96.7%と賃金や労働時間に関する重要な労働条件については、100%に近い割合で労使間の話し合いが行われていることが分かります。

 さらに「何らかの労使間の交渉があった」事項のうち「使用者側から一方的に説明・報告・通知等がなされた」事項をみると、「配置転換・出向」22.2%、「企業組織の再編・事業部門の縮小等」21.0%、昇進・昇格・懲戒処分18.6%が比較的高い割合となっていますが、これらの事項についても「使用者側と話し合いがもたれた」割合をみてみると「配置転換・出向」76.0%、「企業組織の再編・事業部門の縮小等」75.9%、昇進・昇格・懲戒処分79.7%となっており、8割近くが労使間で話し合いを行っていることが分かります。

 労使関係について「安定的」と認識している労働組合は87.8%と高い割合を示しており、労使間で丁寧に話し合いが行われている現状が、労働組合の労使関係に関する認識にも表れているようです。


参考リンク
厚生労働省「平成27年 労使間の交渉等に関する実態調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/18-27.html

(中島敏雄)

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