厚生労働省実施の「過重労働解消相談ダイヤル」 相談の27.9%は家族からの相談
厚生労働省は、11月を「過重労働解消キャンペーン」月間とし、様々な対策を行っていますが、2016年11月6日には無料で相談できるフリーダイヤル「過重労働解消相談ダイヤル」を設置し、相談対応を実施しました。
今回の無料電話相談には合計712件の相談がありましたが、「過重労働解消」と銘打っているため、当然ながら、相談内容のトップは「長時間労働・過重労働」についてとなっています。また、「賃金不払残業(いわゆるサービス残業)」についての相談も同程度の件数があり、多くの場合、長時間労働にはサービス残業の問題が紐づいて存在していることがわかります。
ここで注目しておきたいのは、相談者の約4分の1(27.9%)が家族からであるということです。長時間労働について、本人はあまり問題視していない場合であっても、本人の健康面を心配したり、サービス残業で収入が少ないことに不満を覚えた家族が相談を寄せるという構図が想像され、いくつか開示された相談事例を見てもその傾向は明らかです。企業としては、従業員本人だけでなく、その先に家族がいるということも意識して労働時間管理を考える必要があるのかもしれません。
なお、厚生労働省では、これらの相談のうち、法令上の問題があると認められる事案については、相談者の希望を確認した上で、労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施していく予定がされています。
□主な相談内容
長時間労働・過重労働 340件(47.7%)
賃金不払残業 305件(42.8%)
休日・休暇 53件( 7.4%)
□相談者の属性
労働者 432件(60.7%)
労働者の家族 199件(27.9%)
その他 81件(11.4%)
□主な事業場の業種
製造業 103件(14.5%)
保健衛生業 101件(14.2%)
商業 89件(12.5%)
参考リンク
厚生労働省「「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果を公表します 」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000144103.html
厚生労働省「過重労働解消キャンペーン」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/roudoukijun/campaign2015.html
(佐藤和之)
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