営業秘密の漏えい 要因のトップは現職従業員等のミスによる漏えい

営業秘密 高度情報化社会になり、営業秘密の管理はこれまで以上に重要な課題となっています。こうした状況を受け、多くの企業でその対策が打たれていますが、その参考になる「企業における営業秘密管理に関する実態調査結果概要」が経済産業省より公開されました。

 この調査は、経済産業省および独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、近年の営業秘密漏えいに関する大型訴訟事例が発生している状況等を受け、営業秘密の保護強化に資する有効な対策の促進を図るために、企業における漏えいの実態や営業秘密の管理に係る対策状況を把握するための調査を実施されたものになります。

 調査結果の中から、営業秘密の漏えいが発生したルートの上位3つを見てみると、以下のようになっています。
現職従業員等のミスによる漏えい  43.8%(前回調査26.9%)
中途退職者(正規社員)による漏えい 24.8%(同50.3%)
取引先や共同研究先を経由した漏えい 11.4%(同9.3%)

 前回調査で50%を超えていた「中途退職者による漏えい」が今回、半減しており、退職時の情報管理に関する企業の対策が進んでいることが分かります。その一方で現職従業員のミスによる漏洩が急増しており、その対策が求められます。

 今回の調査結果の中で、企業が有効性を感じている対策として、「PC等の情報端末にはアンチウイルスソフトの導入」「営業秘密の保存領域にアクセス権を設定する」については、20%以上の企業が有効性を実感していると回答しています。このほかにも、ファイアーウォール等の導入や、USBメモ等の持ち込み・持ち出しの禁止などについても有効性を実感している企業があり、今後、企業が対策を行う際に参考になるでしょう。


参考リンク
経済産業省「「企業における営業秘密管理に関する実態調査」を実施しました」
http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170317004/20170317004.html

(福間みゆき)

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