パワハラの多い職場の圧倒的1位は「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」

パワハラ 解雇などの労働トラブルが減少する一方で、職場のハラスメントのトラブルは年々増加していると言われます。そのため、ここ数年、多くの企業でハラスメントに関する研修が行われていますが、その際に必ずと言ってよい程に引用される調査(職場のパワーハラスメントに関する実態調査)の最新結果が公表されました。

 今回、厚生労働省が公表した「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書にはそうした研修の際に使えるデータが豊富に含まれていますが、パワハラ防止対策を推進する際に参考になるのが、「パワーハラスメントに関する相談があった職場に当てはまる特徴として、該当するものがあればすべてお教えください」という設問です。この設問の回答は以下のとおりとなっています。
45.8% 上司と部下のコミュニケーションが少ない職場
22.0% 失敗が許されない/失敗への許容度が低い職場
21.0% 残業が多い/休みが取り難い職場

19.5% 正社員や正社員以外(パート、派遣社員など)など様々な立場の が一緒に働いている職場
13.1% 従業員数が少ない職場
11.9% 様々な年代の従業員がいる職場
11.8% 他部署や外部との交流が少ない職場
 9.5% 業績が低下/低調な職場
 8.7% 従業員の年代に偏りがある職場
 6.5% 中途入社や外国人など多様なバックグラウンドを持つ従業員が多い職場

 予想通りと言えば、予想通りですが、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が圧倒的1位となっています。最近の「上司」は、実務とマネジメントに追われ、非常に多忙ですので、なかなか部下とのコミュニケーションに時間を割くことができないということが多いのではないかと思います。また労働時間短縮の動きも、良い意味での無駄な時間を奪っていきますので、この傾向は続くことになるでしょう。その意味では、気軽に相談ができるリーダーの配置や組織内コミュニケーションを促進するイベントなども重要になっていくことでしょう。

 人材不足の中、人材の定着は非常に重要な課題になっていますが、現実的に社員が退職する最大の理由は上司を中心とした社内の人間関係であると言われています。その意味からもハラスメントがない、風通しの良い職場作りが求められています。


参考リンク
厚生労働省「「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000163573.html

(大津章敬)

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