労働基準関係法令違反に係る334事案 社名等が厚生労働省のホームページで公表に
長時間労働を始めとし、労働基準法や労働安全衛生法の違反に関しては、社会の対応も、そして、役所の対応も厳しくなっています。それを示す一つとして、労働基準関係法令違反に係る公表事案が、厚生労働省および都道府県労働局のホームページに一定期間掲載されることになりました。都道府県労働局のホームページでは以前からすでに公表が始まっていましたが、昨日、厚生労働省のホームページでも公表が開始され、334事案が社名等とともに公表されました。
この公表する事案に関する取扱いは、通達(平成29年3月30日基発0330第11号
)で以下のとおり、全国統一となっています。
掲載する事案
厚生労働省および都道府県労働局のホームページに掲載する事案は、以下のとおりとする。
①労働基準関係法令違反の疑いで送検し、公表した事案(以下「送検事案」という。)
②平成29年1月20日付け基発0120第1号「違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名の公表について」に基づき、局長が企業の経営トップに対し指導し、その旨を公表した事案(以下「局長指導事案」という。)
掲載する内容
厚生労働省および都道府県労働局のホームページに掲載する内容は、以下のとおりとする。
①企業・事業場名称
②所在地
③公表日
④違反法条項
⑤事案概要
⑥その他参考事項
掲載時期及び掲載期間
(1)都道府県労働局においては、送検事案又は都道府県労働局長指導事案を公表後、速やかに都道府県労働局のホームページに掲載するものとする。
(2)本省においては、全国の送検事案及び都道府県労働局長指導事案をとりまとめ、毎月定期に厚生労働省のホームページに掲載するものとする。
(3)掲載期間は、公表日から概ね1年間とし、公表日から1年が経過し最初に到来する月末にホームページから削除するものとする。
ただし、公表日から概ね1年以内であっても、
①送検事案は、ホームページに掲載を続ける必要性がなくなったと認められる場合
②都道府県労働局長指導事案は、是正及び改善が確認された場合については、速やかにホームページから削除するものとする。
昨日公開された事案は、全国で334件になっており、多い府県をは以下のとおりです。
愛知 28事案
大阪 20事案
福岡 19事案
※東京は11事案で7番目に多い。
今後、定期的に公表されることになっており、違反事案して公表された場合には注目される可能性があります。より一層の労働基準関係法令の遵守が求められます。
参考リンク
厚生労働省「長時間労働削減に向けた取組」
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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