100万人を超えたわが国の外国人労働者数 6月は外国人労働者問題啓発月間

6月は外国人労働者問題啓発月間 厚生労働省は、毎年6月を「外国人労働問題啓発月間」と定めています。

 日本全国の外国人労働者数は、平成28年10月末現在の厚生労働省の統計調査によると、初めて100万人の大台に乗り108万人になっています。外国人労働者が増加していく中、厚生労働省は次のような点を外国人労働者に関する課題として認識しています。
雇用管理の改善及び再就職の促進
ア 日系人等の定住外国人を中心として派遣・請負の就労形態が多く雇用が不安定な状況は変わっていない。
イ 事業主の認識不足等により社会保険に加入していない事例や適正な労働条件が確保されていない事例等がみられる。
ウ 日系人等の定住外国人を中心として日本語能力や能力開発の機会が不十分である等の問題がある。
専門的・技術的分野の就業促進
ア 外国人を雇用したことがない企業が依然として多く、採用しても企業側の環境整備が進んでいないなど高度外国人材の活用が不十分である。
イ 日本で就職を希望する留学生の多くの者が実際に就職できておらず、なお就職支援の必要性が高い。
適正な雇用・労働条件の確保
ア 技能実習生を含めた外国人労働者については、法定労働条件確保上の問題が認められる事案が多いことから、適正な雇用・労働条件の確保が求められている。
イ 外国人労働者の労働災害は増加傾向にあることから、安全衛生の確保のため、安全衛生教育の実施等が求められている。
ウ 我が国には、依然として多数の不法滞在者が存在しており、その多くが不法就労に従事しているとみられることから、外国人労働者の就労状況を適切に把握することが求められている。

 そこで「外国人労働問題啓発月間」には、今年の標語を「外国人雇用はルールを守って適正に~外国人が能力を発揮できる適切な人事管理と就労環境を!」とし、厚生労働省をはじめ、都道府県労働局、労働基準監督署、ハローワークが主体となり、ポスター掲示やリーフレットの配布、事業主や各種団体・会合などでの外国人労働者問題に関する周知・啓蒙活動が重点的に実施される予定です。

 特にハローワークでは、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」に基づき、事業所を訪問して雇用管理の改善指導を集中的に実施することとしていますので、外国人を雇用されている企業においては、この機会に自社の雇用管理が適正であるか、再点検をされるとよいでしょう。


参考リンク
厚生労働省「6月は『外国人労働者問題啓発月間』です」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000165355.html

(佐藤和之)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。