経団連調査でも管理監督者の22.3%が「年休取得は年5日未満」と回答

年休 労働時間の上限規制に続き、これまで大きな論点となっていた高度プロフェッショナル制についても政労使合意が進められる方向となり、2019年4月の労働基準法改正がほぼ確実な状勢となってきました。今回の労働基準法では過重労働対策として様々な改正が行われますが、その中の一つに年次有給休暇の取得義務化があります。

 これは、年10日以上年次有給休暇を付与される労働者については、5日以上の取得を義務付けるというものですが、これに関連し、経団連では年次有給休暇の取得状況に関する調査を実施しています。この調査は経団連会員企業を中心とした249社(対象労働者 1,104,389人)を対象として実施されたもの。

 これによれば、年次有給休暇の取得率は64%となっています。経団連の調査だけあって、なかなか50%に達しない厚生労働省の調査よりも高い水準を示していますが、今回の法改正に関連して設けられた「年次有給休暇取得が5日未満の者の割合」という設問を見ると、以下の割合で5日未満の者がいることが分かります。
管理監督者 22.3%
一般労働者 10.8%

 経団連調査でもこれだけの者が、年間5日の年次有給休暇の取得ができていません。中小企業を対象としたとすれば、これを大きく超える数値となるでしょう。2019年4月以降の法改正を睨みながら、年次有給休暇が取得できる環境の整備を進めていくことが求められます。


参考リンク
経団連「2017年労働時間等実態調査 集計結果」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/055.pdf

(大津章敬)

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