約7割が法令違反!外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導結果
厚生労働省は、平成29年8月9日、外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成28年の監督指導・送検等の状況を公表しました。外国人技能実習制度とは、外国人が日本の企業などの実習実施機関において実習を通し技術を習得することによって、母国の経済発展を担う人材として育成することで国際貢献を行うことを目的とした制度です。
今回の監督指導等の結果によると、監督指導を実施した5,672事業場(実習実施機関)のうち、労働基準関係法令違反が認められたのは4,004事業場(70.6%)でした。 主な違反事項は、第1位・労働時間(23.8%)、第2位・使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準(19.3%)、第3位・割増賃金の支払(13.6%)の順に多く、一部の実習実施機関においては、外国人技能実習生を”安価な労働力”と考えている嫌いがあり、「36協定を超えて長時間労働をさせている」「割増賃金が法定に満たない低額である」「最低賃金に満たない支払いしかされていない」といった事案はその典型であります。過去5年の監督指導結果においては、いずれも7割を超える事業場において法令違反が確認されており、未だに違反が後を絶たない根深い問題であります。
今後は今年1月に設立された外国人技能実習機構により、制度の管理が強化されていきます。外国人技能実習生を受け入れている企業においては長時間労働や賃金未払いなどの法令違反が生じていないか、自主点検をしておかれることをお勧めします。
参考リンク
厚生労働省「外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成28年の監督指導、送検等の状況を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000174090.html
(佐藤和之)
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