副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子および就業規則(案)が公開されました
働き方改革の中でも注目を浴びている副業・兼業の解禁ですが、2017年11月20日に開催された第4回柔軟な働き方に関する検討会において、そのガイドライン骨子および就業規則の案が示されました。
まずはガイドライン骨子(案)の中で、企業の対応としては以下のような事項が求められています。
裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものがどうかをいま一度精査した上で、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる 。
その場合、 労務提供上の支障や企業秩序への影響がないか、また、長時間労働を招くものとなっていないか確認する観点から、副業・兼業の内容等を労働者に申請・届出させることも考えられる。副業・兼業の内容等を示すものとしては、例えば、労働条件通知書や契約書が考えられる。
特に、労働者が他の使用者に雇用されて副業・兼業を行う場合には、労働時間や健康の状態を把握するためにも、副業・兼業の内容等を労働者に申請・届出させることが望ましい。
このように原則として副業・兼業を認めるとした上で、実務家が懸念している副業・兼業先での労働時間の把握については、民間のツール等を活用した上での労働者の自己申告によることを例示しています。
一方、モデル就業規則は以下の条文例が示されています。
(副業・兼業)
第65条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務が第11条第1号から第5号に該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
働き方改革の中で示されている様々な方針の中でももっとも懐疑的な見方がされている副業・兼業ですが、厚生労働省ではその解禁に向け、着実に議論を進めています。
参考リンク
厚生労働省「第4回柔軟な働き方に関する検討会」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000185391.html
(大津章敬)
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