雇用関連助成金の「生産性要件」が変更になっています

雇用関連助成金の「生産性要件」が変更になっています 今年度から、キャリアアップ助成金など多くの助成金で新たに「生産性要件」が創設され、この生産性要件を満たすことで、助成金の額が加算されるなどの取り扱いが行われています。

 そもそもこの生産性要件が導入された背景には、今後労働力人口の減少が見込まれる中で経済成長を図っていくためには、労働生産性を高めていくことが不可欠であることがあります。そのため、従業員の能力開発・意欲の向上、働き方や働きやすさの改革、業務の効率性や成果を高める設備の導入などにより、生産性の向上を図っていくことが求められています。そこで、国としては、企業における生産性向上の取組みを支援するため、生産性を向上させた事業所が雇用関係助成金(一部)を利用する場合、その助成額または助成率の割増等を行っています。

 今回変更となったのは、生産性要件の計算方法になり、まず計算式は以下のようになっています。
生産性=付加価値(※)÷雇用保険被保険者
※付加価値とは、企業の場合、営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課、の式で算定されます。ただし、企業会計基準を用いることができない事業所については、管轄の都道府県労働局にお問い合わせください。

 具体的な変更点は、上記の「人件費」に、「従業員給与」のみを算定することとし、役員報酬等は含めないことになっています。以前に生産性を計算した企業においても、今回の変更により生産性要件を満たす可能性があります。これから助成金の活用を検討されている場合は、ぜひこの生産性要件も確認しておきたいものです。


参考リンク
厚生労働省「労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html

(福間みゆき)

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