36協定の上限額見直し等で最大200万円の助成金が開始予定

jk 助成金は、毎年4月に大幅な見直しが行われており、先日の労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会においても、見直し予定の助成金に関する情報が公開されました。対象となる時間外労働等改善助成金(職場意識改善助成金より改称予定)には、いくつかのコースがありますが、「時間外労働上限設定コース」拡充は注目されることが予想されるため、その内容を確認しておきましょう。

助成概要
 時間外労働の上限設定を行う中小企業事業主に対し助成

対象事業主
①時間外労働が月80時間(休日労働を含む)・年720時間を超える特別条項付き36協定を締結し、現に当該時間を超える時間外労働等を複数月(単月に複数名が行った場合を含む)行った労働者がいた中小事業主
②時間外労働が月80時間(休日労働を含む)・年720時間以下の特別条項付き36協定を締結し、現に当該時間の範囲の時間外労働等を複数月(単月に複数名が行った場合を含む)行った労働者がいた中小事業主

助成率、上限額
・費用の3/4を助成
※事業規模30名以下かつ労働能率の増進に資する設備・機器等の経費が30万円を超える場合は、4/5を助成
・①平成30年度(又は平成31年度)に有効な36協定において、時間外労働の上限を月45時間・年360時間以下に設定⇒上限150万円
※月45時間を超え月60時間以下の設定に留まった場合⇒上限額100万円
月60時間を超え月80時間以下・年720時間以下の設定に留まった場合⇒上限額50万円
・②平成30年度(又は平成31年度)に有効な36協定において、時間外労働の上限を月45時間・年360時間以下に設定⇒上限100万円
・③①又は②に加え、週休2日制とした場合、度合いに応じて上限額を加算⇒4週当たり4日増100万円、3日増75万円、2日増50万円、1日増25万円
※上限額の合計は200万円まで

助成対象
 就業規則等の作成・変更費用、研修費用(業務研修を含む)、外部専門家によるコンサルティング費用、労務管理用機器等の導入・更新費用、労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新費用、人材確保等のための費用等労働時間短縮や生産性向上に向けた取組に必要な経費

 かかった費用・経費に対する助成になりますが、外部のコンサルティングを受けて残業の削減を目指す企業も多く、そもそも残業が多くある企業には活用が広がりそうな助成金になりそうです。なお、ここで説明したものは、あくまでも改正案であり、正式な決定と案内が待たれます。


参考リンク
厚生労働省「第68回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188038.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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